韓国は、日本以上にアイドルが音楽市場を支えている。年間何十組ものアイドルがデビューする韓国では、争いが激しく、スポットライトを浴びるものもいれば誰にも知られることなく夢を諦めるものもいる。
どんなアイドルが世間に受け入れられるかは誰にも分からない。それが「アイドル」という職業なのだ。
近年韓国のアイドルが日本に来ることが多くなったが、日本のアイドルが韓国に行くことは多くない。そこで私はある疑問が思い浮かんだ。
韓国で「乃木坂46のようなアイドルはどう映るのか」だ。2018年に開始予定の「PRODUCE48」も気になる。これを機会に真剣に考えてみた。
目次
- 乃木坂46のような「大人数グループ」は韓国にはない
- 実際に乃木坂46は韓国で人気があるのか
- 韓国に置いてアイドルに求められるのは「完璧なパフォーマンス」
- PRODUCE48が韓国で始動。これがきっかけとなるか？
- 乃木坂46的アイドルが韓国で人気になる日は来るのか？
乃木坂46のような「大人数グループ」は韓国にはない
まず大前提として「まだ韓国に40名を超えるような大人数グループはいない」。握手会を開催するようなアイドルもいない。
韓国は「他とは違う」というのが、人気を得るための1つの方法でもある。その点で、「人数が多い」、「新曲を出すたびに握手会をする」というのは「他とは違う」ということになる。
もしも本格的に韓国活動をする時に「大人数」、「握手会します」というのは結構インパクトを残せると思う。
大事なのは、「インパクトを残した後どう活動するか」だ。
実際に乃木坂46は韓国で人気があるのか？
（引用：乃木坂46公式ホームページ）
乃木坂46的アイドルが韓国で人気を得られるかの前に、「現在乃木坂46は韓国でどのような立ち位置にいるのか」が気になる。
韓国にも乃木坂46のファンがいることは間違いない。Youtubeなどに韓国語字幕の乃木坂46の番組もたくさんアップされている。乃木坂46の韓国での反応をまとめると以下のような感じだ。
- 日本人って自然な可愛さがあっていいな〜
- AKBとの違いが分からない。
- 人数多すぎない？毎回メンバー違くない？
- 可愛いのは認めるけど、歌もダンスもだめ
- JPOPは耳に優しい
以上のように、賛否両論だ。実際にメンバーの名前まで分かって、代表曲を口ずさんだりできる人は多くないだろう。
それもそのはず。まだ、乃木坂46は韓国で本格的な活動もしていないし、プロモーションもしていない。知らない人が多いのは当たり前だ。
韓国で人気があるのは白石麻衣くらい
実際に、現地の韓国人の友達に簡単に乃木坂46の印象を聞いてみた。返ってきたのはこの一言だ。
「白石麻衣なら知ってる。」
メンバーの名前を知っていたことに私は驚いたが、理由を聞いたら納得できた。どうやらこの友人は「映画がきっかけ」で白石麻衣を知ったようだ。
白石麻衣は大人気作品の「闇金ウシジマくん」に出演している。映画は世界共通で、ヒットすれば出演者の知名度は勝手に上がっていく。
もしも、乃木坂46が韓国で活動をするのであれば、まずは日本で「世界に通用する映画に出演させる」というのも1つの世界戦略になるかもしれない。
また、白石麻衣の場合は化粧品のCMやモデルも勤めている。それも、韓国での認知度に繋がっているのも確かだ。
韓国に置いてアイドルに求められるのは「完璧なパフォーマンス」
韓国のファンがアイドルに求めるものは「完璧なパフォーマンス」だ。ここ10年以上KPOPを聴き続けてきたが、これだけはブレていない気がする。
どのKPOPアイドルを見ても、歌もダンスも完璧だ。日本のアイドルとはレベルが全く違うと感じてしまうほどだ。
日本はアイドルにそこまで「実力は求めていない」のだが、韓国は「完全に実力勝負」。この中に、実力主義ではない日本のアイドルがウケるかと言われたら、、、NOだ。
かと言って乃木坂46が韓国で反応が悪いことにはならない
実力主義の韓国だが、だからと言って乃木坂46が「反応悪い結果になる」とは断定できない。序盤でも述べたように、韓国では「他とは違う」というのが評価されやすい。
この「他とは違う」というのを、どうアピールするかが重要なのだ。
最近のKPOPは実力はもちろんあるのだが、「可愛い路線のアイドルが増えてきた」ようにも思える。
かっこいい、セクシー、力強いというのが主流だったが、KPOPにも「流れ」がある。その流れに乗っかり、プラスαで乃木坂46らしさを見せれば韓国でも通用するだろう。
そう、乃木坂46にはオーケストラで繊細な歌を歌える「乃木坂らしさ」があるのだ。
何を見せるか「明確なコンセプト」を提示すれば乃木坂46的アイドルも韓国で活動できる
「乃木坂らしさ」をアピールすれば、韓国の人も受け入れてくれるかもしれない。明確なコンセプトを持って、ぶれることなく活動すればいつかは認めてくれるはず。
韓国のアイドルグループ「ヨジャチング（GFRIEND）」はまさにその成功例とも言える。
当時セクシー路線や大人っぽさが求められていた中、ヨジャチングは「可愛さ」を押し続けた。コンセプトを変えることをしなかったのだ。
その結果「他とは違う」ということが評価され、今では韓国で大人気のガールズグループとなった。
このような事例もあるので、「明確なコンセプトを提示」するというのは、ものすごく大事な要素となっている。
PRODUCE48が韓国で始動。これがきっかけとなるか？
2018年に韓国で「PRODUCE48」というサバイバルオーディション番組が始まる。
韓国ではPRODUCE101というオーディション番組がきっかけで、オーディション番組が現在も大流行中なのだ。
PRODUCE101とは「101名の練習生を国民プロデューサーが投票で11名をデビューさせる」という企画だ。ここから「IOI」や「Wanna One」といった大人気アイドルグループが生まれた。
この成功がきっかけで日韓が協力してアイドルを作る「PRODUCE48」の開始も発表された。この番組がきっかけとなり、日本の「大人数グループアイドル」も流行するかもしれない。
秋元康の才能は韓国でも認められている
PRODUCE48をプロデュースするのは、「秋元康」だ。韓国の制作側のラブコールがあり、実現した企画なのだ。
秋元康は韓国でも賞を取るほど、その才能が認められている。そんな秋元康が作り出す「PRODUCE48」。AKB48のメンバーも出ることが発表され、どのようになるか非常に楽しみだ。
まだ詳細は発表されていないため、今は待つしかない。
乃木坂46的アイドルが韓国で人気になる日は来るのか？
結論を言うと、私は「乃木坂46的アイドルが人気になる日は来る」と思う。秋元康の力があれば、最初のうちは話題も集まり、イベントやライブも客を集められるだろう。
ただ、「人気が続くとは言い切れない」。韓国のファンは「実力がある」というのは絶対だ。正直乃木坂46的アイドルは実力があるとは言えない。
可愛さや可憐さだけでは韓国の音楽市場では長続きしない。PRODUCE48の企画で、実力を見せつけることができれば、人気を得ることも十分に可能だ。
今後もこの問いかけに対する答えを見つけるため、韓国と日本のアイドルの動きを見ていきたいと思う。
